うつ病や他の心の病で通院されている方は,大半が投薬治療をされていると思います.一般的にお医者さんでは,「向精神薬と併用しないでください」,と言われるサプリメントやドリンク剤があります.向精神薬を飲んでいない段階の方ならば,大きな問題はありませんが,治療中の方は以下のサプリメントや,栄養ドリンクを併用すると,副作用が強くなったり,逆効果になったりするので,使用にはくれぐれも注意してください.
●栄養ドリンクやカフェイン剤
日ごろの疲れを癒すため,アフターファイブの活力源に栄養ドリンクを飲まれる方もいらっしゃると思います.
愛飲者の方は,よく飲む栄養ドリンクの成分を見てください.
成分に無水カフェインが含まれていませんか?
一般的に,抗うつ薬の注意書きには,カフェインを含む飲み物を控えるように書かれています.
コーヒー・緑茶・紅茶・コーラが対象です.
大体,紅茶やコーヒー1杯で50mg/100mlです.
ドリンク剤の種類にも寄りますが,多いものでカフェインが50mg/30ml含まれ,100ml換算だと150mg以上にもなるんです.
うつ病についてのグラフ
なぜ,カフェインがよろしくないのか・・・? ちゃんと理由があります...
主な向精神薬の作用は,脳内で働き,リラックスの神経伝達物質であるセロトニンを増やしてくれます.
このセロトニン,本来は興奮の物質アドレナリンを抑えるために分泌される物質です.
そして,抑うつ症状や不安症状というのは,増えすぎたアドレナリンを抑えるセロトニンが少ないときに生じるものです.
問題のカフェインは,このアドレナリンを放出させる作用が強く,そのために眠気を抑えたり,
脳内を興奮させて,疲労した脳でも活力を発揮させることができます.
ですが,カフェインに頼った生活を続けると,アドレナリンとセロトニンのバランスが崩れ,
カフェインの取りすぎで,手足の振るえや動悸,対人緊張などに発展することもあります.
余談ですが,筆者も高校から大学院時代まで,カフェイン剤に頼っていました.
そのつけが回ってきたのか,睡眠のリズムも崩れ,体のあちこちのバランスが崩れました.
ですので,セロトニンを増やすための向精神薬とは,バッティングしてしまうのです.
理想的な脳内の物質のバランスを保つためにも,カフェインレスの生活を心がけるのが良いようです.
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●GABAやセントジョーンズワート
この2種類については,リラクゼーションのサプリメントとして販売され,抗うつ作用も研究されている物質です.
しかも,GABAに関してはチョコレートやコーヒーなど食品化もされています.
しかしながら,この2種類の成分によって引き起こされる,脳内の作用は,抗うつ薬や抗不安薬と同等の効果もあり,
高濃度なサプリメントとして,向精神薬と併用することで副作用が強まる危険性があります.
例えば,ベンゾジアゼピン系の抗不安薬のソラナックスやメイラックスというのは,
摂取することで,脳内の偏桃体や前頭前野のGABA神経に作用して緊張を緩和します.
抗うつ薬のSSRIもこれらの器官に働きかけGABA神経を刺激し,また
セロトニン神経に作用して,不安や緊張,抑うつ症状を緩和するのが目的の薬です.
なお,西洋ハーブのセントジョーンズワートは,抗うつ薬と同様の働きをすることが解っており,
今後の研究次第で,医療の現場でも用いられるような医薬品になる可能性も有ります.
ですが,現段階では,どの程度摂取すればよいのかや,副作用についてまだまだ研究段階です.
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食品分野の研究などでこれらの成分が,向精神薬と同様の効果を持つことは期待されていますが,
許容量や疾患の回復に使用する医薬品としては,まだ認められていない現在では,
使用中の処方薬と併用することで,作用が倍増し副作用の増強などが考えられます.
一般的には,お医者さんに相談すれば,飲まないでくださいと言われますので,ご注意ください.
ただ,チョコレートなど食品に関しては,大量摂取しなければ,問題の無い濃度ですのでご安心ください.
なお,GABAに関しては,食品化されていますし,食品科学・脳科学の研究分野では注目度の高い物質です.
日本のGABAなどの抗ストレス食品の権威は,静岡県立大食品栄養科学部の教授の横越英彦先生が有名です(還暦を迎えられているので現在は退官されているかもしれません
2006年に,横越先生監修で『抗ストレス食品の開発と展望』(
参考サイトの目次中ほどに『第7章アミノ酸・ペプチド・タンパク質 1. GABA(堀江健二)』 でGABA項目を書いてる人,堀江さんも静岡県立大学出身で,現在はファーマフーズで横越先生と共同研究し,GABAの製品化をされています.
ファーマフーズの堀江さんによる製品化されたファーマギャバ(
なお,『食品・栄養科学の分野』でのGABAの有効性は,どのようにして証明されているのか,,,それは,ストレス負荷を与えた場合,GABAを摂取しなかった人よりも,GABAを摂取した人の方が,精神ストレスの指標である唾液中のクロモグラニンA(CgA*2)が減っている,,,という証明メソッドのようです...
一方,うつ病やメンタル疾患に関わる研究分野である,『脳科学・神経伝達分野』において,GABAというのは,あくまで脳内における個々の働きが注目されているのがほとんどです...
また,逆にGABAは脳内で合成されるものであり,食品で摂取して血中から脳内にダイレクトには吸収されないのでは??? という見解もあったようです.ただこの話はどうも古い情報のようで,現段階では唾液中のクロモグラニンA実験が有力視され,食品化されるほどなのです.ですので,経口摂取して脳内神経に上手く作用するメカニズムの研究をしている人も,いらっしゃるとは思います(専門家や原著論文が分からないので,あくまで筆者の想像です・・・)
と,いうわけで,栄養学から脳神経学(医・薬学)を総合して,経口摂取から脳内までのメカニズムを総合的に研究している研究者や論文について,私自身もまだ明確な情報を持っていません.(どなたかご専門の方,論文・資料情報をお寄せください・・・できれば,要約してくれると嬉しいです,,,医療分野の論文は専門でなかったので)...
私もうつ病と分からず� �院していなかった頃は,GABAサプリメントなどを試していましたが,うつ症状が酷くなってからは,効果はあまり得られませんでしたし,治療を始めてからはGABAサプリは使用禁止になりました・・・(当時は大うつ病と診断されるほど,酷い状態だったため効き目も出にくかったのでしょうね)...本格的に治療している人は,医薬品としての効果が明らかになるまでは,現段階でのGABAおよびセントジョーンズワートの高濃度サプリメント併用を控えましょう.
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